ソダチノディスタンス
21日は夏至でした。これから夏本番に向かうところですが、実際のところ北半球は冬に向かってUターンをはじめたのです。早いもので一年も半分過ぎてしまいました。春から新緑の初夏にかけての一番輝く時期がコロナのせいで大いに損をした気がします。
梅雨のど真ん中とはいえ、曇り空で比較的過ごしやすい日の夕方の園庭はとても賑やかです。大人と子どもを合わせると50人以上、小学生からヨチヨチ歩きの赤ちゃんまで遊んでいます。おなかの大きなお母さんたちも目立ちます。情報交換でしょうか。お仕事とお家の間の「園庭時間」。ママ同士、夕方の何気ない会話、癒されますよね。
ソーシャルディスタンスでホームセンターのレジは長蛇の列。お客さんたちの無言の圧力で余計あせる店員さん。ヘルプのボタンを押しました。「レジ、応援、おねがいします」自動放送が流れると、列にいた小さな女の子が「がんばれ~!」。みんな笑顔。空気がいっぺんに和らいだ…。ネットで見たエピソードですが、ありそうな光景ですね。保育園も感染症対策ということで送迎の際は玄関に入らないように、とか、間隔を空
けて、とかお願いしているところですが、意外な効用があることに気付きました。
靴を脱いで、下駄箱に入れて、部屋にいく。これだけのことですが、小さな子には簡単ではありません。荷物を置いて、くるっと回って腰をおろし、マジックテープをはがし、かかとをもって靴を足からはずす。立ち上がって二つの靴を持ち、自分の印がついた下駄箱へ。荷物を下げて自分の部屋まで廊下を歩く…。
通常の保育に戻って一ヶ月。これまで、トン、と座らせ、ダッ、と靴を脱がせ、時には下駄箱にホイ!と入れて、はい、行ってらっしゃい!だったお母さん、おばあちゃんも、一挙手一投足をじーっと見守っています。先生たちもどこまで手助けしたらいいのか、そのころあいを考えながら視診に立っていることでしょう。私も同じ気持ちです。たかが玄関、されど玄関。ここには子どもの育ちを見つめるディスタンスがあります。
何事も大人のペースでパッパと、チャッチャとやったほうが、早くて段取りよく、効率的かもしれません。でも、子どもは寄り道、回り道、行ったり来たりすることで学びます、安心して間違えたり失敗できる環境が子ども伸ばすようです。たまには急がず、待ってあげてください。
「先生、なんでおなか、ぽんぽこぽん?」妻が学童の女の子にきかれたそうです。妊婦のお母さんが多いから、親近感をこめてでしょう。「赤ちゃん、いないよ」って答えたら、「シマッタ!悪いこときいた…」という顔をしたそうです。さっそく、高野豆腐ダイエットをはじめました。今回は気合が違う…みたい。私も三ヶ月の家飲みで増えた分、減らそう、かな。