うらめしや~

お化け屋敷に「お母さんといくんやで!」って園児たちが言っています。そんなシーズンですね。

私が小学生のときは70年代、オカルトブーム真っ盛りでした。ノストラダムスの大予言にはじまり、宇宙人を見た!UFOにさらわれた!心霊現象、怪奇体験…ゾクッとするようなテレビ番組、本屋さんにはスリラー本が並んでいました。番町皿屋敷、牡丹灯篭、耳無し芳一…人間のドロドロの情念、愛、恨み、哀しみ、悔しさ…なんとなくわかりました。怖いけど夢中で読んだものです。いま「伊右衛門」といえばペットボトルのお茶ですが、昔は「伊右衛門さま…」ときたら四谷怪談の悪役。「お岩さん」の旦那さんのことでした。夏休みに友達の間で絶対みような!と約束して「東海道四谷怪談」をみました。めちゃくちゃ怖かったです。ぜひDVDでご覧ください。結構、涼しくなれます。

夜になれば、あたりが暗闇に包まれ、みんなが眠るのが常識だった時代、説明がつかない現象は大抵、キツネやオバケ、天狗に幽霊の仕業でした。いまはコンビニやレストランは24時間営業で、テレビも深夜までハイテンションで笑わせて、痛いぐらいの明るさ。幽霊の住む場所が無くなりました。一方で、恐れるものがなくなった人間のほうは、凶暴になりました。クルマやスマホという便利な道具を駆使して、社会的な弱者であるお年寄りや子どもをターゲットにします。欲望の赴くまま、限度というものがありません。幽霊さんはお墓の陰から出てきて、驚かせるだけだったのに。「うらめしや~」って。

国は学校の「道徳」を教科にしようとしています。成績がいいと「いい子」なの?どうもエライ人たちはわかっていない気がします。戦後の教育に欠けていたのは、神さま仏さま、お天道さま…日本人が長い間、培ってきた宗教レベルの畏れや敬いの心です。子どもたちは地獄や鬼やお化けの話、身を乗り出して聞いてくれます。怖いけど大好きなのです。「人間は万能でも偉くもない、怖いものはたくさんあるよ…」これからも、しっかり伝えていきたいと思っています。

「もしもし…」息子が学校から電話してきました。「おお、なんだ、忘れ物でもしたか?」「……」「どうしたの?」「こ、こんにちは、万葉中学校の藤と申しますが、園長先生でいらっしゃいますか。このたびの職場体験について…」どうやら、セリフを棒読みしてるみたい。用件がひとしきり終わったら「…それではしつれいいたします」プツン。真剣な本人には悪いのですが、思わず笑ってしまいました。帰宅してから話すと「だって、前に先生がいるし、後ろには女子がいるし、リーダーはタイヘンなんだからね!」。

二日間の体験に来たのはうちの子と同級生の女の子が二人。みんな、卒園児です。息子は園児のお世話をする、というより、大きな園児がもう一人いる感じで、フツーに楽しく遊んでいたそうです。女の子たちはさすが、遊んであげて、きちんとお手伝いをしていました。おてんば娘も、すっかりお姉さんになっていました。二人とも、将来は保育士になりたいそうです。がんばってお勉強して、ステキな先生になってくださいね。

吸い込む空気が熱いと思ったら、気温が37℃でした。史上最強?の暑さの中、夕涼み会の準備運営に携わっていただいた役員のみなさん、本当にありがとうございました。終始、笑顔がいっぱいの会場でした。こうしてみんながつながっているから、この保育園が何十年間も成り立っています。これから制度の改革などがありそうですが、この場を大切に守っていきたい!って、あらためて思いました。「ありがたや~」です。

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