背中とんとん

年に一度の憂鬱。人間ドックにいってきました。何が嫌だって、あの、ウドンのお化けみたいな胃カメラを飲むのが大のニガテです。苦労して飲み込んでも、押したり引いたり、空気で膨らませたり、さんざんイジられます。涙目で、苦しーっ、うーん、早く終わってくれ~。ひたすら耐えるしかありまん。「はい、きれいでしたよ。異常ありません」ふうっ、また来年。がんばってくれている胃に感謝して、無理はしないように気をつけないと。検査の間、看護師さんが「もう少しですからね~」背中をトントンしてくれました。ちょっとだけ、ちょっとだけですが、うれしかったです。

小学校の体育館で親子ワクワク教室がありました。3歳以上児の親子が思いっきり体を使ってふれあい遊びをするのですが、子どもを持ち上げたり、振り回したり、ゆらしたり…運動不足の体には結構キツイものがありますが、わが子の重さは命の重さ…。とても充実した楽しいひとときになったと思います。去年までは私もご両親とも参加できない子のパパ代わりで、いい汗をかいていたのですが、今年は全保護者が参加。それは素晴らしいことなのですが、みんなが「ひぇ~」とがんばっている姿を脇から撮っているだけでは今ひとつ。ところが、フィナーレに思わぬ出番がめぐってきました。

リレーなのですが、体育館の対角するコーナーに分かれて赤白のチームが同時スタート。どちらかのチームの走者が相手チーム走者の背中にタッチしたら勝負あり。よく考えたら簡単に終わるはずがありません。保護者は男女適当に混じっていて、差がなかなか縮まりません。誰か一人でも「おとな」になってペースを落とせばすぐに終わりそうなものですが、それが二葉の親のいい(おとなげない!)ところ、パパもママも、血相変えて全速力です。5周、6周、7周!勝負がつかず、ついに、「全員お父さんにわかって~!」男同士の真剣勝負となりました。9周、10周…ゼーゼー、お父さんたちも苦しそう。ウズウズしていた私、カメラを置いて「えんちょう、いきまーす!」。久々の全力走行!翌日の筋肉痛も、いい余韻です。

「こわいんやで~」事務室の前でひまわり組の子が話しています。何が怖いんだろう…「ぼくのお父さんのほうが、もっともっとこわいんやで」「あたしのお父さん、もう、ドッカーンて、おこるんやで」自分のお父さんが怒ったらいかにこわいか、自慢しあっているのです。ほほ~。やっぱり今どきのお父さんも、怖いのか…。

私の父も怖かったです。箸の持ち方!姿勢が悪い!帰宅が遅い!マナーやルールに人一倍厳格で、天井が割れそうなほど大声で怒りました。遊ぶときにも大胆でした。五寸釘を手裏剣のように地面に刺して陣取り遊び、庭を田んぼみたいにして泥んこ遊び。豆まきでは口紅で顔を真っ赤に塗って赤鬼…別の意味でコワイですね。

孫たちといっしょに食事をしたり、お風呂に入るのを楽しみにしているお爺さんになった今の父には、世の中で一番怖くて、一番面白かった父親の面影はありません。でも、気がつけば今の私はそのまま、昔の父の姿を追っています。息子たちにとっては結構、怖くて面白い父親のはずです。みなさんは、ご家庭で、どうですか。

先日、ママゴトをしている子から「おじいちゃんになって」って、はじめて言われました。じいちゃん役かぁ。確かに、若いおじいちゃんなら、ありえる年齢になってきましたね。若いジイでも、老けたパパでもいいので、これからも園長は園児たちにとって、力持ちでなんだか面白い…そう、ふとっちょのクラウンみたいな存在でいられたら…うれしいです。

帰りの会で、みんなにきいてみました。「怒ると怖いのは…お父さん?お母さん?どっちかな」圧倒的に、「お母さ~ん!」。家事も子育ても仕事も…いっぱいいっぱい、ですよね~。がんばらない時があってもいいですから、お子さんと過ごす今を、大切にしてほしいです。十年後は同じ時間、過ごせませんよ。勉強と部活に追われる中学生の息子たちとは、一緒に過ごす時間も会話も、めっきり少なくなりました。

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