ホイクエン、イカナイ!

新緑を背景に泳ぐ鯉のぼり。新入園の子たちの泣き声もすっかり聞かなくなりました。「止まない雨はない」「慣れない園児もいない」です。みんな、私をみたらニッコリしてくれます。まだ0歳児の子が若干ダメみたい。がんばります。

「ホイクエンヤー」「ホイクエンイカナイ!」「オウチガイイ」昔の話ですが、うちの長男が保育園に馴染めなくて困りました。園長の子なのに。入園から二週間、三週間たっても毎朝ギャーギャー泣きわめいて、クルマのシートにしがみついて抵抗。笑顔で通うようになったのは水遊びが始まる頃。これまで数百人の園児をみてきましたが、慣れるのがいちばん遅かったのは長男です。

保育園は子どもがはじめて経験する社会。いわば社会デビューです。社会はフクザツですよね。お友だちがオモチャをとります。まだ遊びたいのに、お片づけをします。未知の食べ物がでてきます。意のままにならないことだらけ。当時ひとりっ子で育った長男は王子さま生活が一変したわけで、トンデモナイ世界に感じたのでしょう。二年後、四年後に入園した次男や三男が保育園に何の抵抗もなかったのは、すでに兄弟間でいろいろな葛藤を経験していたからでしょう。

保育園では自分の思いと友だちや先生の思い、集団生活の流れ、きまりとの折り合いをつけながら、生活します。そのうち必ず「好きな人」、「好きなこと」、「好きな人」ができてきます。それが「慣れた」ということ。園ではいろいろな経験をします。おうちに帰ったらお話をいっぱい聞いてあげてくださいね。

夕方、たくさんの親子で園庭がにぎやかです。新入園の皆さんも、お迎えのあと、時間に余裕があれば園庭に出てみてください。お子さんが他の子とかかわる様子、遊具に登ろうとがんばる姿…保育園生活の一端をみることができます。お母さんたちとも言葉を交わしてみれば、同じような悩み、喜びを感じているはずです。私もウロチョロしています。気軽に声をかけてください。

ツバメの夫婦が飛来して玄関先を下見しています。安心安全な場所って、ツバメにも認めてもらえるかな。新居をつくって子育てをする様子を子どもたちと見ることができたら嬉しいです。
二十年ほど前に「おうちがいい」って泣いた長男はいま、遠く離れた場所で大学に通っています。LINEでのやりとり→《連休は帰ってくるだろ?》《日帰りでいいか?》はぁ?

平成最後の…このフレーズ、聞き飽きましたね。平成8年から軽い気持ちで書き始めた園長だより。たぶん200本以上。「最近の親って文が長いとぜったい読んでくれないわ」と妻に言われますが、それでも昭和のオジサンは書きたい。語りたい。ということで、平成最後の「園長だより」とさせていただきます。令和の時代も子どもたちと元気に遊びます!

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園長だより

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