賢者にはなれないけれど

「りじちょうせんせい、どれがいい?」

3歳児(ちゅうりっぷ組)の男の子です。おもちゃの写真ががいっぱい載ったカラフルな広告の紙。毎日カバンから出したりしまったり、こうして何度も何度も眺めているのでしょう。紙の折り目もくたびれてヨレヨレになっています。「ボクはこれ」サンタさんにお願いするんか?「うん!」

明日からもう12月です。

うちはお寺ですが、なんと、50年ほど前からサンタさんが来るようになったのです。つまり、私は本山の700年の歴史で初めてサンタさんからプレゼントをもらった子ということになりますね。今でもサンタが来ないのは当然というお寺さんも多い中、当時としては、ずいぶん柔軟で開明的な父でした。

ベッドの脇に靴下を吊るしておくと、夜中にサンタさんが来てプレゼントを置いていってくれる…。私たち兄弟はサンタさんに会いたい一心で起きていようとしたのですが、7歳にそんなことができるはずはなく、はっ!目が覚めたときにはもう外が白み始めていました。靴下に何か入っています。手紙です。なんて書いてあったのかは忘れましたが、プレゼントは机の上に置いてありました。大好きな仮面ライダーの絵本でした。えーっ!なんでボクが仮面ライダー好きって知ってたのぉ~?「猛毒怪人キノコモルグ」「毛虫怪人ドクガンダー」などなど、おどろおどろしい怪人が次々と登場するページ。ドキドキしながらめくりました。この頃の怪人ってホントに怖かったんですよ。

二十数年後、父になった私は、やっぱりサンタになっていました。うちは男の子ばかりなのでプレゼントは主に私の担当でした。師走に入るころ、子どもが好きなおもちゃを物色し始めるのですが、いつも出遅れぎみ。たとえば次男の好きな「ガオレンジャー」は、はやりもの。なかなか手に入らず、苦労したことを覚えています。

寝息をたてるわが子たちの枕元にプレゼントをそっとおいて、翌朝、努めて平静に「おーい、起きてよ、なんか置いてあるよ…」 布団をはねのけ、包装紙をもどかしげに破って、「あっ!ガオさめ!ガオうし!」(彼はガオシャークやガオバイソンをこう呼んでいました)分解したり合体したり…夢中で遊びだしました。

甘やかすなとか、ぜいたくだとか、いろいろ言われたって、わが子の太陽のように輝く笑顔を見たら、幸せな気持ちにならない親はいないでしょう。はい、親バカです。

 「賢者の贈り物」という オー・ヘンリーの短編小説をご存じですか。

クリスマス。妻は夫の金時計の鎖を贈るため、自慢の長い髪を切って売ってしまいます。夫は妻にべっ甲の櫛を贈るため、金時計を売ってしまいます。贈り物は行き違いになるのですが、夫は愛する妻が、妻は愛する夫が、今、いちばん望んでいるものは何か、一生懸命考え、それが見事に的中したがゆえに起きた素晴らしい行き違いでした。二人は互いの愛の深さをあらためて確かめたという内容です。

さて みなさん、夫が、妻が今、一番望んでいるものは、何ですか?一緒に暮らしていても、なかなかわかりませんね。私も、さっぱり、わかりません。「賢者」にはとてもなれませんが、一年でいちばん夜が長い12月、今宵は大切なお子さん、そして、家族ひとりひとりのことを思いましょう。あらためて家族愛をあたためる機会として、クリスマス、悪くないと思うのです。

一か月したらお正月なんて、まだ全く実感がわきませんが、何かと慌ただしくなる年末です。どうか身体に気を付けて、お過ごしください。

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