それでも 人は、つながりたい

青い空に白い雲。鯉のぼりが泳いでいます。万葉まつりが近づいて、太鼓の音と元気な声が響いています。新緑の季節、少しぎこちなかった保育園が、ゆっくり回りはじめた感じです。

「パパぁ~。おいでぇ~」えっ?パパって?私? 2歳児で入ってきた男の子が、いっしょにお散歩にいって以来、私を見るたび「パパ~」って慕ってくれます。お母さんによると、「メガネの親しい男の人=パパ」のようです。パパ…懐かしいような、くすぐったいような…。

入園からまもなく一ヶ月ですが、何人かは涙で登園してきます。ご家族はつらいですね。うちの子だけ…と思わないで。長男がまさにそのタイプでした。言葉はペラペラ、頭もクルクルまわって、動きも活発。でも、家では大人に囲まれた王子さまでもありました。3日間は保育園に楽しく通ってくれて、おっ、いけるかな?と思ったのですが、一日保育になってからは「ホイクエン、ヤー!ホイクエンイカナイ!」毎朝、大泣きして暴れ、クルマのシートにしがみつきます。頼りはチラチラ姿がみえるパパなのでしょうが、園長ですから、そうはいきません。

きっと、慣れるからー。妻に言い続けた私も、息子を愛するひとりの父親です。気にしていました。5月も風邪を立て続けにひいて、休んでばっかりでした。人間って不思議です。意思があって、言葉があって、つながり…ひろがる。水遊びが始まった頃、お友だちの芽が出てきました。園庭でケラケラ笑っています。すまして見ていた私ですが、実は、涙が出るほどうれしかったです。

保育園では、担任がひとりひとりを大切に保育しています。でも、いつも「明るく楽しく」しているばかりではありません。ときにはケンカしたり、ちょっとイケズしたり、されたり…。プラスもマイナスの経験もあっての保育園。もう、数え切れないぐらい、いろいろ変化する状況があるからこそ、育ちます。さらに、お片付け、手洗い、給食、お昼寝、帰る用意…家庭にはなかった集団生活の流れ…戸惑いますよね。よ~く、わかります。

止まない雨はないように、慣れない子もいません。玄関で、親子で手をパチン!タッチして「いってらっしゃーい!」「ママもお仕事がんばってね~」そんな日が、きっと来ますよ。

互いに自分を出して、違いを認め合い、いい関係でいる…たしかに理想です。でも、何年も連れ添った夫婦ですら、毎日毎日スリリング。ある意味、新鮮。なのは、うちだけ?やっぱり、人間がつながるってことは、一生の課題だと思います。保育園や幼稚園は、小さな小さな「はじめの一歩」なのかもしれません。

私には息子が3人。たぶん、みなさんより半歩だけ、前を歩いています。毎月こうしたお便りを書かせていただきます。よろしくお願いします。

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