アルプス、出現!

もう、おなかいっぱい!…ギブアップの手前まで積もった大雪は、四年ぶりでしょうか。「園長先生、昔はこんなもん、当たり前やったでのぉ!」ご年配のみなさんはおっしゃいますが、今は車に依存する度合いが違いますし、生活がゼイタクでヒヨワになっていますから…慣れてえん若いモンには、しんどいです。

けど、「屋根まで積もれば!お空まで積もればいい!」と、年末に言っていた子どもたちには、なによりのビッグなお年玉でした。園児たちが晴れ間をみつけて、背丈ぐらいある雪に覆われた園庭に一斉に「泳ぎ出し」ました。色とりどりのジャンバーが真っ白な雪原にゆっくり散らばっていきます。埋もれても「うわっ」「むふふっ」なんとも心地よさそうな表情は、まるで温泉につかっているかのよう。気がつくと私も夢中で雪合戦に興じていました。連日の除雪で腰がだるいのも忘れて…家に帰ってコタツに入ったらジンジンきました。これ、息子よ、薬、塗ってくれ…「えーっ」えーじゃない、だいたい…「はいはいっ」。

「ご本山に、いってきま~す!」次の日は朝一番で3歳児がお出かけです。もちろんお目当ては、「雪山」です。本山の御影堂(大きなほうのお堂)の屋根は片側幅約40メートル、高さ約30メートル。 50センチ積もったとしても600トン。気温が上がると、大量の雪が、地響きを立てていっぺんにずり落ちます。「ゴォォォッ…」まさに小さな雪崩です。そして、軒下にはアルプス型の山ができます。今回の「標高」は4メートル。斜度45度なんていうのは、スキーの超上級者コースなみです。

登ろう、といわなくても、目の前に山があれば登るのが子どもたち。壁面に張り付いて、手足を雪に食い込ませ「よいしょ、よいっしょ」。油断するとズズズ…と。やっとのことで狭い頂上に立ったら、「たかっ!」あらためて高さにビビって、腰が引けてます。さあ、どうやって降りよう…。しばし思案にくれた後、意を決してオシリをついて、シュ~ッ!「キャッ!」雪の塊にドン!と、しりもち。「ハハハハハッ」大笑いしてまた登りはじめました。みんなも、次々と後に続きます。普段は静かな冬の境内に子どもたちの歓声が響きわたっていました。

こうした場所で遊ぶのは、安全第一で作られた遊具とは違ったスケール、楽しみがあります。みなさんが子どもの頃だって、ワイルドな遊びは、楽しかったのではないですか。時には痛い思いもして、キケンも隣り合わせだということも知りました。私も、友達と遊んでいて鞍谷川にかかる農業用の橋から自転車ごと転落したことがあります。足をつこうとしたら、そこに橋の端はなかった…というシャレにもならない話。それほど高さはなかったと思いますが、身体の側面を痛打して、涙が出ました。恥ずかしくて、何事もなかったような顔で遊びに戻りました。ナニコレ、アッ、シマッタ…と時間がスローモーションで流れるあの感覚、今でもたまに夢に見ます。

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