屋根まで積もれ!

《白魔》《雪との戦い》先週の新聞の見出しです。「これしきの雪でなんでこの言葉かなぁ、福井の新聞が、情けないねぇ…」と、朝食の時に一人でブツブツ言っていました。確かに福井市内は自動車が渋滞して大変だったでしょうが、大げさに思えます。

どんどん積もれ!屋根まで積もれ!子どもの頃、雪がもっと積もったらいいのに…二階から出入りして、雪のトンネルを歩いてみたいな…と思いませんでしたか。結局、高校生のときに56豪雪という形で夢は「実現」したわけですが、通学や雪下ろしで苦労して、実感はうれしさ半分、大変さ半分、というところでした。大雪を喜べなくなるのは悲しいかな、大人になるということなのかもしれません。

たった20センチでも、保育園の子どもたちには待望の雪だったのです。「まぶし~」目をしばつかせながら、園庭にでてきました。シューッ、ペチョン。ほらきた!男の子たちがアスレチックに登って、かわいい雪球を投げてきました。そしてお決まりの挑発が…

「えんちょう先生、投げてみ~ろ、ベロベロべ~ッ」

園長先生の《黄金の肩》をばかにしてはいけません。たとえ20メートル離れていても百発百中、いや、百発三十中ぐらいはします。4歳児だったので雪球を少し山なりにシューッ!ドスン!「おおおっ」避けながらも驚くみんな。どんなもんだい!この瞬間、楽しいです。

5歳児の場合は強めの球を投げたりします。できるだけ狙う子を宣言して、身構えさせてから、身体をめがけて投げるのですが、ごくたま~に、見事に顔に命中してしまうことがあります。それで毎年一人や二人は「うぇ~ん」と泣いてしまうのですが、今年は誰も泣きません。一旦後退すると、すぐに復活、余計にパワーアップして投げつけてきます。なかなか、たくましいです。

おや?腰の具合が変です…少しひねったみたい。こんなのは初めてです。もう若くはないのですね、これから、雪合戦の前にはストレッチをすることにします。

子どもの頃、よく父と雪合戦をしました。雪でバリケードを作ってその陰から投げるのですが、父の固くて大きな雪球は「シュルシュルシュル…パーン!」と容赦なくバリケードを壊していきます。迫力がありましたね。バリケード補修と反撃に追われ、顔を出した瞬間、アッ!!グシャン!ジンジンくる痛みと冷たさ、悔しさ…雪と涙でおぼろげな視界に、けなげに一人で応戦する弟の姿…よぉし、と気を取り直して-。最後は勇気をもって二人で飛び出して至近から攻撃!父が「いや~マイッタ、マイッタ!」というのが、いつものパターンだったような気がします。

子どもと遊ぶとき、叱るとき、三十年前に父親がしたことを繰り返している自分にふと気づきます。自分でもこわいぐらい。もちろん、社会の変化や妻の考え方もありますが、基本的には親に育てられたように育てています。子育ての結果って、わが子が親になったときにわかるのかも-。

子を育てる営みは将来の親を育てる営みでもあるのです。褒める言葉、叱る言葉ひとつにも、未来への責任があるのですね。みなさんは、わが子にどんな親になってほしいですか?

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