みててや
雪がふって、よかったな!「うん!」明日こそ、明日こそ、と子どもたちが待ち続けた雪が積もりました。ふわふわの新雪。寝転んだり、泳いだり、おおはしゃぎです。もっと降れと思う子ども、もういいわ、と思う大人。子どもの世界と大人の世界を行き来している私には、どっちの気持ちもよ~くわかります。
「今日は7時30分出発な」ふだん自転車で高校に通う息子たちですが、雪の日は私が車で二つの学校を巡ります。路面が凍っていて、なかなか気が張るドライブです。二人を送ったあと、交差点で停車していたら、「ゴン!」。まじかっ。ていうか、またか…。バンパーは一旦へこんで戻ったようです。ディーラーで見てもらったら、内部が歪んでいました。一昨年に続いて二度目の災難。相手の若い男性も丁寧に謝ってくれて、私も「お互いに気をつけましょう」と気持ちよく対応できましたが、事故はないほうがいいに決っています。
ジワジワ車間を詰めてくる後続車、ほんとうにイヤです。「おいおい…止まれるのかよ」ブツブツ言うしかできません。どんな車でも、パジェロでもフェラーリでも、スケートリンクでは曲がれない、止まれない。みなさんも、くれぐれも慎重に。
「みててや!」りじちょうせんせいの仕事は、園内をうろうろすることです。最近、なわとびをしている子に呼び止められます。「みててや」「数えてて」一人ならいいけど、二人、三人を同時に数えるのは…五十過ぎのおっさんの脳トレになるかもしれませんが。
小さな子はトン…トン…トン、と一拍おきに跳ぶものだと思っていましたが、3歳児でトントン…小学生のようなリズムでどんどん回数を重ねる女の子がいます。玄関では大縄をしていますが、先生の数える声、な、なんと!数が400回を超えているじゃないですか。すごい気力と集中力ですね。ここまでくると縄をまわす先生にも跳ばせてあげようとする配慮、苦労があるようです。
「みててや!」ボク、すごいでしょ、できるでしょ、ワタシ、がんばるから…。この短い一言にも大いに味わいがあると思うのです。おおげさに言えば子どもの自己肯定感と見守ってくれるであろう大人への信頼感。園で忙しくないのは私ぐらいですから、「わかった、見てるよっ」と、立ち止まり、場を共有するようにしています。でも、本当に見ていられないときもあります。「ごめん、今はお客さんやで」きちんとお断りします。「うん、わかった」
上の子が二歳半ぐらいのとき、プラレールでコースが出来たから「みてて」といわれたのに生返事でテレビの野球中継に見入っていたことがあります。気がついたら息子がジーッと見つめていました。「パパ…ウンチでたの?」って心配そうに、真顔で言うのです。心から反省しました。誰に言われるよりも、ガツンときました。
「みててや」「きいて」「ねえ…」子どもは大好きな人に、一瞬の、小さな、些細な信頼のサインを毎日のように出しているものです。忙しくても、できるだけ、見逃さないように、聞き逃さないようにしましょうね。子育てはその積み重ねと言っても過言ではないような気がします。
勉強ができる、スポーツができる、それはそれで、すばらしいこと。でも、人から信じられる「人」、人を信じることができる「人」に、わが子が育ってくれることが、何にも勝る親の最大の願いですね。