節と筋

入園式からまもなく一か月。新入園のお友だち、いかがですか。数時間とはいえ、生まれて初めて、家族と離れての生活。だいじょうぶかな?おうちの人もドキドキでしたね。登園のお別れ、泣き声がだいぶマイルドになってきた気がしませんか。お子さんの長い人生の、保育園は社会デビューです。大好きな人がいる、大好きな場所になれたら、うれしいです。

園庭の真ん中、新緑を背景に泳ぐ鯉のぼり。トントンチチチ…二階からは万葉まつりに向けた太鼓の調べと元気な掛け声。各クラス、進級したてのぎこちなさが取れて、順調にまわりはじめました。木々の若葉を見ただけでワクワクする、いちばん好きな季節です。

本山で50年に一度の大きな法要がありました。子どもたちと一緒にいたい私、何かと呼び出されて身体が二つほしいぐらいでした。とくに月の後半は保育園からお寺に通う感覚、夫婦ともフラフラでした。でも、当日は最高のお天気に恵まれ、かわいいお稚児さんたちに囲まれたときは疲れが吹き飛びました。園児もたくさんの参加、ありがとうございました。行列のゴールではスロープを上がって阿弥陀堂に入りましたが、大きな阿弥陀さまの前の小さな仏さまこそ、33年に一度しか公開しない、聖徳太子が手を合わせていたという伝説の片袖阿弥陀如来。じつにやさしいお顔です。ご縁に出会えた子どもたちも幸せ。これからも成長を見守ってくださることでしょう。

竹の節。ふつう、樹木の成長点は根や茎の先端にしかないのですが、竹は節ごとに成長点を持っているから、ぐんぐん成長できるそうです。式や行事を「節目」といいますね。お寺の法要も、保育園の入園式、夕涼み会、運動会、そして卒園式も、「竹の節」みたいに、あえて手間暇かけて、準備して、あるいは練習して、節をつくる。そのたびに人と人とが絆を深め、エネルギーを蓄え、次のステップに勢いを得る…のです。行事がなくても月日は進み、子どもも育つ。けど、それは単なる筋(スジ)にすぎません。節と筋は似て非なるもの。節ごとに、ぐんと成長するのは、子どもたちだけじゃなくて、保護者も、先生も。私の喜びでもあります。

「まだ帰らん、園庭で遊ぶ!」お迎えのあと、玄関から出て左にダッシュする子。「今日はあかんて!」忙しい夕方、お母さんはタイヘン。ですが、保育園が「大好きな場所」になっている…わけで、この光景、私は嫌いじゃないです。さてさて、今年度、どんな一年になるでしょうか。