りくりゅう!

「肩車して!」「ジャンプして!」寄って来る子どもたち。園内うろうろもお仕事のひとつです。人気メニューのひとつ、その名は「足と手」。子どもの手足を握った私が軸になって遊園地の飛行機みたいに回転、最後はおしりを床に滑らせて着陸。空中を飛んで目が回る面白さでしょう。先週、これを「りくりゅう!」って言う子がいました。

ミラノ冬季オリンピック、史上最高得点で優勝した「りくりゅう」ペア。世界が感動した完璧な演技でした。心の底から信頼しあっているからこそ、大逆転があったのですね。世間はさっそく恋人?結婚?とかザワついていますが、厳しい道を乗り越えてきた関係は夫婦なんて足元にも及ばないぐらい、凄みを感じます。

ときには小学生を抱えてヨイショ、と肩車をする私、氷上で小柄とはいえ璃来さんを片腕で高々とリフトできる龍一さんの筋力と体幹に憧れます。妻には次元が違う、と笑われますが、私にとって体力は子どもとコミュニケーションをとる大切なツールのひとつ。りくりゅうペアではないけれど、子どもたちは私を信頼してくれているからこそ、身体を預け、喜んでくれる。二人の活躍、新たな力をもらいました。

「パパのお料理、食べにきて-」年長組の子のお父さんはレストランのシェフ。卒園前にぜひ…と、お得な企画のご案内いただきました。オープンキッチンには赤々とした炎が立つオーブン。南側には大きな窓。天気が良ければ田園の向こうに日野山が見えるはずですが、この日は氷点下の吹雪でホワイトアウト。雪の光に映える薪焼きのお料理の数々、広がる香り―。お料理がテーブルに運ばれてくるたび、先生たちからも感嘆のため息がでます。日常を忘れるじつに楽しいひと時でした。2月8日、思えばその日が季節の境目。雪解けが進み、イルカ、カメ、クジラ…園庭の遊具も定位置に戻り、園も春を迎えようとしています。

あと三週間。大半が学童さんに来る、とはいえ、卒園式は幼児から児童への大きな節目です。手の中から愛らしい小鳥たちが飛び立つような、寂しさもありますが、みんな素直ないい子に育って、嬉しいかぎり。「一人の子どもを育てるのに、一つの村が必要だ」という言葉があるそうです。大人や子ども、年齢、性格もさまざまな人が仲良く生活する「二葉村」。村で育った子どもたちが、学校にいき、やがて社会に出て、大人になっていく。さらに近年はパパやママになって戻ってきます。「村長」の喜びはまた格別なのです。

担任は大好きな〇〇先生だったな、園長先生にも遊んでもらったな…とか、幼いときに人を信じた経験は、きっと人生の良き礎になることでしょう。21人、幸多かれと願うばかりです。