最後とは

冷たい雨、厳冬期とは違った独特の寒さが身にしみます。布団から出るのも億劫…ですが、朝のお参りがあるので5時45分にはエイヤッ!と起きることにしています。それでもたまに油断して寝坊します。「今日はどうしたの?」とたしなめる母と「ゆっくり寝られてよかったね」と体を気遣う妻、真逆ですが、両方、ありがたいです。

むかし、私たちは二階の寝室で息子三人と川の字で寝ていました。冬の朝、子どもたちを起こします。寝ぼけまなこの三人。次男は右腕、三男は左腕で抱え、長男は私の首に手をまわしておんぶ。よいしょ、よいしょ。階段をおります。重い-っ。あるとき、私以外の家族全員が感染性胃腸炎になりました。妻もダウン。なぜか私だけ耐性があるのです。洗濯して、掃除して、シャワーに入れて、また掃除して、洗濯して…の四日間。階段の途中に座りこんで「あーもう、むりー」って思わず弱音を吐きました。そのときの妻の“でしょ”みたいな顔が、忘れられません。

最後だと知らぬ最後が過ぎていく その連続と思う子育て(俵万智『未来のサイズ』)

この歌の心、よーく、わかります。
子どもって、忙しいときに限って、熱を出したり、わがまま言ったり…ときには、もうっ!ってなりますが、いつかは必ず最後の一回(だった)、という日がきます。今では私たちにとって、楽しかったこと、辛かったこと、すべてが懐かしい思い出です。

早いもので今年もあと五日。楽しい年末年始をお過ごしください。そして、来年こそ世の中が平穏でありますようにー。

ご本山の除夜の鐘は大晦日の午後11時30分から始めます。あたたかい服装でおいでください。