ちーぱん 

夕方の園庭に、誰もいません。まだセミの声もほとんど聞えない6月末、なのに連日37度。梅雨も消えてなくなってしまいました。この酷暑、いつまで続くのでしょうか。気候もコロナも戦争も「ふつう」がだんだん怪しくなっている気がしませんか?できるかぎり、子どもたちには「ふつう」の中にいてほしいものです。

今も昔も本山は格好の遊び場。私が子どもの頃、きょうは何して遊ぶ?集合したらまず遊びの企画会議。本山会館前のロータリーで自転車レース、野球ごっこ、境内で大鬼ごっこ!友だちと過ごす時間が楽しすぎて、気がつくと門限の6時を過ぎ、よく父に叱られたものです。

夏休み前の日曜の夕方、友だちと別れようとしたら、阿弥陀堂の門前に荒縄でくくられた子犬が一匹。クンクン…ないています。どうする?うちは食堂やで飼えん、とムラタくん。うちもムリや、と、マスダくん。けっきょく、ウチが引き取ることになりました。シロとクロのブチの雑種。ちっちゃいパンダみたいだからチ-パンと名づけて可愛がりました。よく懐いて、私たち兄弟にとびついてきて、ほんとうにうれしそうでした。散歩でほかの犬をみると尻ごみ。飼い主に似て?小心者でした。お肉とか、特別にごちそうを貰ったときはせっせと穴を掘って埋めて隠すくせに、埋めた場所を忘れる可笑しなヤツ。今でもわが家では大切にしまっておいた場所を忘れることを「ちーぱんした」といったりします。

私が中学生、高校生になり、チーパンもオトナになりました。尻尾を振るのもゆっくりに。冬の夜、鎖が外れて行方不明になりました。見かけた、という話がチラホラ聞えてきたのは春のこと。朝、東運動公園の前で登校途中の自転車にチーパンが併走してきました!なかま?を二匹ひきつれています。おー!どこいってたんや。でも、高校いかないと。どうしようもない。戻ってこいよ。それが最後の別れ。子犬を拾った日は1975年7月13日。今頃の時期です。

あれからウン十年。まさか、ドラッグストアでペット用品が二列もある時代がくるとは。お店で人間より豪華?なペットフードを見ると、チーパンに食べさせてやりたかった、と思います。ごちそうだから、埋めてしまうかな。

三年ぶり、みんなで遠足に行けてよかったです。青い夏空、緑の芝生の先に大型バスが見えたとき、涙がでそうになりました。子どもたちはもちろんですが、お母さんたちのはじける笑顔、ひさしぶりに見ました。コロナもこのまま、明けるといいですね。

つぎは夕涼み会!ちょっとあわてんぼうの真夏、エンジョイしましょう。

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