目と目で通じ合う

 

 

麦畑が見事な黄金色!思わずクルマを停めました。「麦秋」です。福井は六条大麦の生産が日本一だそうです。大麦は香ばしい麦茶になって夏の汗っかきの子たちの喉を潤してくれます。

さくらんぼ組とご本山の境内にいたら、旅行雑誌「るるぶ」の取材クルーが通りかかりました。都会からみえた女性記者さん、「なんて癒される、桃源郷のような空間!」「な、なんなんですぅ!?この子たちの人懐こさ」次々と寄ってくる子どもたちに、ウルウル、涙目です。いやいや、そこまで感動しなくても。

お昼前は未満児さんの給食の時間。一列に並んで先生たちが向かい合ってお世話をしています。ニガテなものなのか、眠たくなったのか、食が進まない子もいます。「これだけ、食べてみようか」とか、言葉がけをしています。そんなひとりの子と目が合いました。ニッコリ。私もニッコリ。こっちに気付いた先生、「園長先生、かっこいいとこ、見たいって」パクッ!「すごいすごーい」ドヤ顔をみせてくれました。いい気分転換になったみたいです。

園では私、子どもたちの視線を感じながら歩きます。
視線はいろんな方向から数メートル、ときにはそれ以上の空間を飛んできて、目が合った子と、微笑む、うなずく、手を振る…一瞬の無言のメッセージを交換します。生まれて間もない一歳、二歳…から、人とつながる喜びを知っているなんて、すばらしいことです。毎日、これを積み重ねていって、悪い子に育つはずがない。そう、確信しています。屋内マスクがいつ取れるかわからない現状では、目線はさらに大切です。

いろんな子と仲良しの園長ですが、当たり前ながら、どの子とも最初は初対面。だんだんと距離を縮めるしかありません。足しげくお部屋に通ってほかの子たちと遊んでいるのを見せます。なんだ?この変わったオジサン、ちょっとおもしろそう…だんだん寄ってきて、「ボクも遊びたいかも…」と目が訴えたら「おいで、やってみる?」やった!これで仲良し、って、思えます。新入園の子たちとの「お友だち作戦」。一か月ぐらい遅れていますが、もうあと少し。「目と目で通じ合う♪」工藤静香さんの歌のフレーズにありますが、園児全員と、そういう仲になりたい、です。

さて、妻に目を合わせると「何よ?」ってきかれます。先日、朝「あ、そういえば…」三日前が27回目の結婚記念日だったことに気づきました。仕事で遅くなったし、ガストでいいか、って二人で簡単に夕食を済ませた日です。「頭の片隅にもなかったな」って、夫婦で笑えたから、それで十分な気がします。だめですかね。