ママがいい~!

園庭の桜をバックに泳ぐ鯉のぼり、ステキでした。いまは新緑。春から初夏へ、命の息吹をいちばん感じる季節です。
新年度になって一ヶ月。最初はどのお部屋も大すぎる服を着たような、ブカブカでフワフワした雰囲気でした。ここにきて、それぞれがそのクラスらしくなってきました。とくに未満児のさくら組(2歳児)から以上児のちゅうりっぷ組(3歳児)になった子たち、真新しい制服と制帽で登園して、お家でも園でも「ちゅうりっぷさんやでな」と言われ、もう小さな子じゃない、という自覚が育ってきたようです。器が人を育てる、まさにこのことです。廊下を通る私と目が合うとどの子もニッコリ。楽しく過ごしてくれているのが何より嬉しいです。
すみれ組(5歳児)が給食室におかずを取りにきました。両手でお皿をもって階段右側を整然と上がっていく姿は頼もしくもあります。二階では二人一組で机を運び、くっつけて十人ずつ二つの島をつくっています。前に先生たちの机。あれ?ふたりの先生の席の間に一つ、椅子が。たいてい、こういう場所は…ところが、そこに座った子(この日はそーちゃん)、はにかんで、嬉しそう。もしかして特別?きくと、当初の担任の意図はどうあれ、子どもたちの間では大好き♡な先生たちに挟まれて食べる、憧れの席。いわば、“プレミアムシート”になっていったそうで、いまは交代で座っています。たしかに21人だから1人、島から外れたほうがしっくりきます。あとひとつ、感心したのはみんな笑顔で楽しく会話しながらも食事もちゃんと進むこと。4日の万葉まつりでは山車にのってねじり鉢巻きに法被姿、かっこよく、太鼓をたたきます。最高学年!だもんね。
「ママがいい~!」新入園の子たち、慣れてきたとはいえ、朝の玄関は、なかなかすんなりといきません。ママ-!の声をききつつ、園を離れるお母さん、後ろ髪をひかれるような思いでしょう。そのやりとり見つめる先輩お母さんたちのまなざしのやさしいこと。きっと、心の中でいっぱいエールを送っています。
生まれてから、ずっとママといっしょにいた子。ママがいいにきまっています。保育園はいろんな人がいて、お家の百倍ぐらい、いろんなことが起こります。思い通りにならないこともあります。でもだいじょうぶ。やさしい先生、楽しいお友だちに囲まれて、毎日過ごすうち、世界が広がり、ひとつ、またひとつ、「好き」が増えてきます。大好きな人がいる、大好きな場所になるまで、もう少し―。
保育園はお子さんのこれからの長い人生のなかで、最初に社会に踏み出す一歩。ちいさな一歩ですが、偉大な一歩。私たちは全力で応援しています。