すっぱい草
いろいろあってこんな時期からのスタートになりました。はじめましてのみなさん、園長だよりのコーナーです。どうぞよろしくお願いします。
こいのぼりを上げて、コロナに負けず、がんばろう!って思った矢先の緊急事態宣言&家庭保育要請。入園式から二週間たって新しいお友だちも世界が広がり、調子が出てきたところなのに。お休みいただいた皆さん、ご協力ありがとうございました。「ひさしぶり~!」「げんきだった?」玄関まわりがとってもにぎやか、やっぱりこうでなくてはいけません。スカスカしていた園内に活気が戻ってきました。今日からリスタートです。
ひまわり組がお山の際にあるりおくんの家をめざして出かけたときいて、あとを追いました。黄色い帽子、どっちいきました?たずねながら、息せき切って早歩き。無事に合流。工事現場のショベルカーをみたり、タンポポの綿毛をとばしたり、楽しいけど、このペースで歩いたらお昼までに帰れる?担任が道端に赤い草をみつけました。「これスイバっていうと思います。子どものとき、かじりながら帰ったんです」どれどれ…かじってみると、酸っぱ!だいたい私は酸っぱいのはニガテでして。ボクも、アタシも!「おいしい!」「もっとさがそう」まじか。道すがら、ずーっと酸っぱい草をさがしていました。りおくんの家の近くまできました。あ、ここ、ゆりちゃんち…。考えてみれば、ここまで歩くのは数十年前、小学校のときに幼馴染の家に遊びにいって以来です。帰りは近道したものの、さすがにみんなの口数も減ってヘトヘト。園に着いたときにはお昼をとっくにまわっていました。往復3キロ、すっぱいパワーで歩ききりました。クックパッドで調べたらスイバはお料理したらおいしく食べられるそうです。おいしくないと思いますが。
昔のままのあぜ道や堤防の草で遊びながら、虫を見つけながら、おしゃべりしながら歩くのは楽しいです。新しいコースなので出会う皆さんも珍しいのか、園児にいっぱい声をかけてくださいます。運動公園、小学校、万葉の里…と目的地を決めるのではなく、だいたいあの辺までいってこようって歩く、これこそお散歩ですね。目的、目標、成果、結果とか、そんなことばっかり言われて耳にタコなので、お散歩って、すごく贅沢で豊な時間。幼い子たちにはこんな時間をいっぱい過ごしてほしい。いや大人こそこういう時間が必要だよな、って思った次第。
ひさしぶりの登園で固まっていた子も、お友だちや先生の温もりですっかり「解凍」されたようです。私も園内をまわってご無沙汰の子のおなかをツンツン。満面の笑顔を返してくれます。いっぱい、遊ぼうね。二葉保育園は子どもにとって、大人にとっても、大好きな人がいる大好きな場所でありたいです。(2021年5月)