ホーホケキョって鳴く前に。

青空に鯉のぼりが泳いでいます。季節は桜から新緑に-。万葉まつりに向けた太鼓の練習、トントンチチチ…慣れ親しんだいつもの風景が新鮮です。三年前、2020年には鯉のぼりもあがりませんでした。コロナのトンネルからやっと出られるのですね。

新しいお友だち、園に少し慣れてきたところでお熱。集団生活には、いろんな菌がいます。お熱が出るのは免疫が抵抗している証拠。お子さんの体の中ではいろんな外敵と戦う練習をしているのです。またか…おうちの方は大変ですが、ここは辛抱、付き合ってあげてください。きっと4歳児、5歳児みたいに元気で強いお兄ちゃん、お姉ちゃんになります。

コンコンコン…4歳児の担任が事務室の窓をたたきます。どうした?ハチでも?
「鳥さんが窓の下で死んでいるんです」
「なに?」「どこ?」「みたーい!」子どもたちが集まってきました。

「きたなくはないよ、さっきまで生きていたんだ。ほら、近くでよくみてごらん」
体長4センチぐらいのウグイスの幼鳥。窓ガラスを空と錯覚して衝突したのでしょう。ホーホケキョと鳴く練習をはじめる前に死んでしまったのです。

ほら見て、小鳥さん、ガラスをお空と間違って、ぶつかって、死んでしまったの…
「かわいそう…」って、あやちゃんとしーちゃん。

その一言が出るって、素敵なことだと思います。

小鳥をティッシュで包みながら…そうやな、埋めてあげよう。
「うめるぞ、オウ!」ノリノリのゆうせいくん。それもいいです。

お花を撒いてくれる子、合掌する子。

一瞬だけですが、それぞれの形で 小さな命に心を寄せました。

幼いころ、父は私に科学、歴史、自然…非日常的な話をいっぱいしてくれました。アポロの月面着陸、ムササビ、南越線…食事時にきいた何げない話題が学校の勉強よりも記憶に残っていたりします。
一見、余分と思えるようなことが、子どもの心の幹を太くしているということもあるでしょう。

コロナ以前は3歳以上児には毎日、帰りの会のときに「園長せんせいのお話」がありました。やっぱりネタは季節や宇宙から動物まで多種多様。マムシもクマもイタチもタヌキも、みんな一生懸命に生きている、そんな話題もしていました。連休明けから「園長せんせいのお話」、復活します。